2019.02.01 地方のお葬式に参列してきました
先日、祖母の葬儀に参列してきました。お歳は87歳。天寿全うと言っても良いお歳だと思います。
病院から搬送され、自宅の仏間の前でお布団に寝かせ、私の親の兄弟達、孫は通夜の日まで、夜通し酒を酌み交わしながら祖母を見守っていました。
自宅で、通夜当日に納棺の儀を済ませ、その後会場へ祖母は移動し、通夜、葬儀を執り行いました。
地方のお葬式は、習慣と慣わしがあります。
葬儀業界に携わる者として、祖母を無事に送り出す事と同時に、その習慣、慣わしも気になるところでした。
ここでは、印象的な習慣をご紹介したいと思います。
◎納棺の儀では、末期の水を脱脂綿ではなく「筆」に湿らせ祖母の唇を湿らせていました。
安らかな旅立ちを願い、生前の労を労う大切な儀式の中で筆を用いる事は、儀式に丁寧な印象を感じさせられました。
◎生花の並びが式場内の両壁に沿って囲う様に並べられていました。これは、私の憶測ではありますが、花輪の並べ方が今でも残っているのかなと思います。
◎弔電、弔辞が葬儀開式前に執り行われました。これも風習なのかな。
私事、親族に開式5分前に孫としてお別れの言葉を述べてほしいとお願いされました。30分弱のお経の後に弔辞があるのだろうと思いその間に言葉を考えようと思い快諾したところ、開式前に、弔辞の案内をされました。
これには、肝を抜かれる思いでした。
そして、最も印象的だったのは火葬場です。
収骨の時遺骨が出てきたのは、ありのままの姿。そして、頭がい骨が割れていなく、そのままの原型を保っていたところです。
箸で一通り拾い終えると、スタッフから「最後までみなさんの手で拾い上げて下さい」と。大きな遺骨は砕きながら、骨壺へ何度も箸を運び30分ほどかけて遺骨を骨壺へ納めました。空気中に舞い上がった骨灰が礼服に付き、真っ白になりました。
親族の手で行うというのは、気持ちの区切り、諦め、様々な気持ちが込み上げる貴重な経験だと思います。
最後に、今回遺族の一人として、思う事は時間でした。
通夜開式3時間前から会場に入り、通夜終了後は深夜1時まで酒を酌み交わし、葬儀開式2時間前から会場に入りました。
この開式前の時間は一見長いようで短いものでした。祖母の話をしたり、親戚同士久しぶりの再会に話が弾んだり、一人椅子に座り、遺影を眺めながら過ごす時間。刻々と別れが近づく時間。
儀式の時間だけではなく、その前後も 時間がとても大事なんだと….
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